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宣教-「日本に遣わされて」ウィリアムス・ナタン宣教師④

日本に遣わされて− 「奉仕の務め」

多く与えられた者はみな、多くを求められ、多く任された者は、さらに多くを要求されます。

~ ルカ 12:48  

 これまでの3回の記事をお読みいただき、神に仕える家系を築き上げるために、神が私より以前の世代の人々の心にどのように働きかけたかがお分かりになったでしょう。私の親族(父方と母方どちらも)には、牧師、宣教師、神学校・教会学校の教師、そして神の国のために自分の人生と持てるものすべてを捧げた献身的なクリスチャンが数多くいます。 誰一人として完璧な人はいませんでしたが、私の幼少期・思春期を通じて一貫して影響を与えたのは、既に召されていた人も含めて、そうした敬虔な人々でした。

ウィリアムス・ナタン

Nathan Williams


National Director ・代表
Global University Japan

 森の中の大家族

 もうひとつの大きな影響は、キリストを中心とした素朴な田舎での大家族の生活によるものでした。 両親と6人のきょうだいと私はミネソタ州中部にある簡素な家に住んでいました。そこは最も近い都市から車でおよそ30分離れていたので、自分の身は自分で守り、養っていく必要がありました。 私たちは広大な敷地(10エーカー=12,241坪)で、鶏を食べるために飼育し、菜園(およそ1エーカー≒1,200坪)では果物や野菜を育て、他の動物(ポニー、大型犬、ウサギ、時には子羊やヤギ)の世話をしました。そして春には木を切り倒し、秋にはそれを玉切りして薪割し、冬にはその薪で家を暖めるという、肉体的に厳しい生活を送りました。 私はすぐに、食べるためには働かなければならないことを学びました。 野生動物がいようと、雨が降ろうと、猛暑であろうと、湿度が高かろうと、吹雪に見舞われようと、マイナス20度の気温になろうと、やらなければならない仕事がありました。加えて、馬に乗って新聞配達をするという仕事もありました。 毎日の家の手伝い、登下校、宿題、教会の奉仕というすべきことがあったので、私たちは時間の良い管理者とならざるを得ませんでした。

【写真】森の中の大家族

薪割り中の私

 信仰生活

 神を礼拝し、地元のアッセンブリーズ・オブ・ゴッド(AG)教会で奉仕することは、私たちの生活において何よりも最優先でした。 日曜の朝も、日曜の夜も、水曜の夜も、教会の扉が開いていればそこにいました。 父は大人のための日曜学校を教え、さまざまな指導的役割を果たしていました。母はピアノの奏楽をし、教会の子ども達への働きもしていました。 私たちきょうだいは、自分の年齢層の活動には何でも参加しました。私も、暗唱聖句、聖歌隊、ユース・グループ、礼拝中のトランペットやフレンチ・ホルンでの奏楽、日曜学校の教師など、年齢に応じて様々なことをしました。 ある日曜日の礼拝のこと、私は神からミニストリーに召されました。ただ具体的なことは明らかにされず、何をしたらいいのか分からなかったので、私は普通の生活を続けました。 信仰生活は、朝、学校に行く前に聖書の箇所を短く読み、夕飯の後に聖書の箇所を長く読むという家族デボーションによって強められていきました。

 時には教会、家庭、学校の責任が重なり、どちらかを選ばなければならないこともありました。 そのような決断をする時、私たちを導いてくれたのは「ことばであれ行いであれ、何かをするときには、主イエスによって父なる神に感謝し、すべてを主イエスの名において行いなさい」(コロサイ3:17)「あなたの手がなし得ると分かったことはすべて、自分の力でそれをせよ。あなたが行こうとしているよみには、わざも道理も知識も知恵もないからだ」(伝道者の書9:10)という聖句でした。 このような経験を通して、信仰生活とは、単に教会に出席することではなく、私たちの主を喜ばせるために、どこにいようとも、毎日欠かさず実践することだと学びました。

 新しい出発

 高校卒業が近づくにつれ、私は次に何をすべきかに悩みました。 神が私を、何らかの形で神に仕えるように召してくださったことはわかっていましたが、何を、いつ、どのようにすればいいのかは分かりませんでした。 私は7人きょうだいの5番目だったので、親から大学進学のお金を出してもらえないことは分かっていました。 そこで私はどうすべきか祈り、アメリカ海軍に入隊することを決めました。 そうすれば、世界中を旅することができるし、うまくいけば高校入学当初から夢みていた日本に行くこともできるし、ゆくゆくは米軍から非常に多くの大学奨学金を受け取ることもできます。 これらすべての私の目的は徐々に達成されていくのですが、神にはもっと大きな計画があったのです。 日本にいる間、私は神奈川にある教会で妻の由佳に出会いました。 由佳は、私がそこに来る2年程前にこの教会でクリスチャンになっていました。 私たちは神が結婚へと導いてくださっていると感じ、多くの祈りと、人生経験豊かなクリスチャン達からの助言を経て、私の米海軍契約満了と同時に結婚しました。

 私たちはアメリカへ移り住み、それから数年の間に上2人の子どもが生まれました。由佳はアメリカでの生活に慣れ、私は仕事に就き、グローバル・ユニバーシティ(GU)で聖書と神学の学位を取得しました。 神は、この時期を用いて私たちを、神を求め、みこころに従う家族へと整えてくださいました。 またこの間に、神は私と由佳それぞれに語ってくださり、AG宣教師として日本で福音を伝えるという使命を与えてくださいました。


 宣教師になって

 米国AG教団世界宣教局の研修と教会巡回を終え、私たちはついに2001年6月11日、福岡で宣教していたドン・スミス師夫妻のもとで協力宣教師として奉仕するために日本に到着しました。 日本で育った由佳と、スミス師夫妻の経験と洞察力のおかげで、私たちは宣教師家族として最初の任期3年間を何とかやり遂げることができました。

 次の4年間の任期中、私は日本語学校に通い、基礎をしっかり学び、日常生活で使えるようになりました(まだまだ上達が必要です)。私たちは、神がサンライズのぞみ教会の三上友通師ご夫妻と共に働くように導いてくださったと信じています。そのとき(2006年)以来、私たちはサンライズのぞみ教会の働きに協力してきました。

 2015年にGUから、グローバル・ユニバーシティ・ジャパン(GUJ)のディレクターになることを依頼されました。 GUからの資金は一切無く、私たち自身も宣教資金が備わっていないことを考慮すると、全く何もないところからの立ち上げを意味していたため断りました。私はGUの担当者から祈って欲しいと言われ、しぶしぶ同意しました。 帰宅してから、その日のうちに祈りました。 目を閉じ、頭を下げ、次のように言いました。「 愛するイエス様、GU担当者に祈るよう言われたので祈りますが、私はあなたがGUの働きについて言いたいことには何の興味もありません。 アーメン」。感謝なことに、私たちはとても恵み深い神に仕えています。 主は私の心に語りかけ、「あなたはこのことを真剣に考える必要がある 」と言われました。 突然、神が私たちをこの働きのために備えてくださったのだと気づきました。 私のAGでの生い立ち、軍隊での訓練、学歴、様々な経験、加えて由佳の生い立ちとビジネス経験、これらすべてがこの働きを行うためのまさに備えとなっていたのです。 そこで私はGUに連絡し、この仕事を引き受けることを伝えました。

 次に私はもう一度祈りました。 「親愛なる神よ、あなたは私に、このGUの働きに “イエス “と言うよう導かれました。 しかし、私にはそれを実現するためのお金がありません。 私は “ノー “と言ったのに、あなたが “イエス “と言うように導いたのですから、あなたにはそれを実現させる責任があります。 あなたは私の主人であり、私はあなたのしもべです。あなたが必要な物やお金を備えてくださらなければなりません。 もしあなたがこの働きのために備えてくださらなければ、これは実現しません。 もし備えてくだされば、栄光はすべてあなたのものです。 アーメン」。

GUJオフィスの初日の様子

 その後に起こったことは想像を超えるものでした。驚くべきことに、神はプリントオンデマンド設備を購入する費用、またその研修を受ける費用を支払うための十分な資金を備えてくださったのです。 2017年にGUJを始めて以来、私たちは聖書学院(JSOM)を立ち上げ、250人以上の学生が学び、およそ100人の学生が現在履修中で、そのうちの30人近くがアメリカもしくはフィリピンAGで牧師の資格を取得しました。また、複数の本を日本語に翻訳し、ポルトガル語訳の本を改訂し、AGバイブル・アカデミー・ジャパンの立ち上げを支援し、様々な言語(日本語、英語、スペイン語、ポルトガル語、タガログ語、ラオス語)で9,000冊以上の本を印刷しました。これらの本は、日本全国の教会で、個人で、さらには刑務所の伝道で用いられています。 神は、すべての栄誉、栄光、賞賛を受けるべきお方です。 私たちを召し、備え、支え、そして将来も導いてくださいます。

AGバイブル・アカデミーのテキスト

 結び

 私たちのストーリーを紹介しましたが、あなたはどうでしょうか? 神はあなたのために何をしてくださったでしょうか? 神は、あなたが神の栄光のために何をすることを望んでおられるのでしょうか?

 今、やってみて欲しいことがあります。 右手のひらを向こうに向けてまっすぐ目の前に上げてください。 あなたの手のひらを起点に、左へ約3km伸びる線をイメージしてください。 次に、同じ線があなたの手のひらから右へ、永遠に伸びていることをイメージしてください。 この線は人類の歴史と未来を表しています。 その線上にあるあなたの手のひらの幅は、人類の過去と未来すべての中における、この地上でのあなたの一生を表しています。 つまり、あなたの生涯は永遠という時の長さの中では10 cm程度なのです。 自分の人生が極めて短いことをよく考えてみてください。(Tony Reinke, 12 Ways Your Phone is Changing Youより)

 では、「この手のひら幅の時間を何に使うべきか?」と自問してみてください。 また、「あなたの造り主を喜ばせるために、この時間を最大限に活用するにはどうしたらいいか?」と問いかけてみてください。

 造り主はあなたに、あなた自身を委ねるように呼びかけていますか? 今従いましょう。 造り主があなたに何を望んでいるのか尋ねてください。 そして、それを実行しましょう。

Only one life, ’twill soon be past,

Only what’s done for Christ will last.

たった一度の人生、すぐに過ぎ去り、

キリストのためになされたことだけが続く。

                         (C.T.スタッドの詩より引用と訳)

「私にとっては、生きることはキリスト」ピリピ 1:21

ウィリアムス・ナタン宣教師が関わる信徒教育プログラムの概要はこちら

AGバイブルアカデミー・ジャパンは、⽇本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団がGlobal University(GU)のテキストを⽤いて、信徒教育のために体系的な学びを提供する、信徒教育プログラムです。

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