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子ども伝道④ 私にとっての子ども伝道-2

高知聖書教会 柿谷信実

教会のある地域

高知聖書教会は高知市西部の山の中腹に建っています。

山を隔てた向こう側には春野町をまたいで海があり、北側には高知市西部の街並みが見渡せます。そのすぐ足元には県営住宅が棟を連ねていて、そこから子どもたちは坂道を登って教会に来てくれます。といっても、子どもたちは教会に来ているというより“子ども食堂に遊びに来ている。”という感覚です。

のぶちゃん食堂

前回、3つのミニストリーで紹介した“②非公式の子ども食堂”は、見切り発車で始まった、よくわからない取り組みでした。成り行きで「のぶちゃん食堂」と呼ばれるようになり、決まりも縛りもなく、開催曜日と時間は何度も変更し、現在は土曜日開催に落ち着いています。

試行錯誤しながら、子どもたちが望むことと、私のできる範囲の中で、まるで大きな家庭のような雰囲気で取り組んでいます。私と子どもたちが一緒にご飯を作り、一緒に食べて、一緒に遊びます。

失敗も恐れない、、、

最初はリンゴやサツマイモを、いきなり子どもたちに切らせてみて、ざっくりと指を切ってしまった子もいました。子育て経験のない私には分からないことも多くあり、失敗も多いのですが、それがどうしたというのでしょう。誰でも始めは初心者です。(wanimaのうけうり)

だんだんと「子どもたちが出来る事」、「出来ない事」、「見ていてあげないといけない事」のサビ分けができるようになり、今ではポテトや唐揚げを揚げるのは子どもたちに任せておいても大丈夫なくらいになりました。

でも
サツマイモやリンゴは今も子どもには切らせません💦
豆腐やレタスは切ってもらい、お肉を切る時は一緒に付いて見てあげる。
そんな風に、“のぶちゃん食堂”は、大きな家庭のような時間を一緒に過ごしています。

【エピソード】

そんなのぶちゃん食堂が始まった当初、子ども達は自前でネタを作って「のぶちゃん、おばさんやのにスカートはいちゅう!」と、私をからかい、私に追いかけられ、捕まえられ、抱きしめられる。という遊びも作っていました。このネタもひとしきり流行りを終えて、今ではほとんどしなくなりましたが、今は流行りのアドをかけて一斉にゾンビダンスを踊りだします。。。

【集まる子ども達】

子ども達はとても素直で、思ったことをはっきり言い、喧嘩もよくしています。つかみ合いの喧嘩になることもしばしばありますが、昭和時代の子どものように元気で素直な子どもたちが集まってくれています。

【失敗した試み】

最初は、「のぶちゃん食堂でも聖書のお話をしよう」と試みましたが、私のキャパが足りないことと、子ども達の興味もついていかず、うまくいきませんでした。

それで、教会の取り組みとして月に一度の“③教会のキッズイベント”が始まりました。

その時には、教会メンバーも当日のお手伝いを手伝ってくれています。(とても感謝✨)

おかげさまで聖書のお話を月に一度はお話することができるようになりました。

中間的役割

のぶちゃん食堂は“①公式な子ども食堂”と“③教会のキッズイベント”の中間に位置する活動です。

“①公式な子ども食堂”だけでは子どもたちと心を通わせるほどの時間はなく、回数を増やせるほど開催側の体力もない。“③教会のキッズイベント”も実際の子どもたちの日々の状況に寄り添うほどの余裕はない。“②非公式な子ども食堂”である、のぶちゃん食堂の中で、やっと子どもたちの性格や状況や日々の悩みを知ることができるというわけです。そこから、どう届くメッセージを発信できるだろうかと思いめぐらし、聖書のお話を準備します。

子どもたちの中には、小学生に入る前から好きな子とキスしたことのある経験を持っていたりします。子どもたちは、まだまだ小さいけれど、バレンタインデーで沸き立つ2月には、聖書の示すジェンダーについて語る必要を感じお話します。(子どもたちの心に届いているかどうかは別にして、とにかく正しい情報を発信しておきます)

親からの信頼

そうこうしている中で、昨年は「近くにあるテーマパークに行きたい。」と、子どもたちから要望が出ました。希望者を募ったとすると、全員連れていくことができないのは明らかでした。そこで、さらなる非公式の活動として数名を選び、親の承諾を得て“遠足”に出かけました。

これが初めての“車でのお出かけ”となり、その後、数回遠足を開催し、車で出かけることを承諾してくれる親御さんが増えていきました。

夏にはキッズイベントでお泊まり会(いわゆる教会キャンプ)を開催することもできました。

まだまだ教区のキャンプに連れていける段階ではないのですが、ここまでの流れも急速で思いがけない成果だと思っています。

ごり押し厳禁

そのうち、教区キャンプや全国キャンプにも参加が赦される子どもたちが出てきてくれたらうれしいのですが、子ども達自身と親御さんの理解を得られないうちから、こちら側の希望で参加をごり押しすることはできません。

今の現状と未来への願望

今、集まっている子どもたちは、“イエス様を信じる”というより、“少しずつイエス様を知っていく”段階です。
出来るだけありのままのイエス様をわかりやすく、楽しく伝えることが今の私に出来る事です。

月に一度でも聖書のお話を聞いてくれる子どもたちは、実際にはクイズの景品“お菓子”が目的です。でも、それでいいのです。
最初からイエス様のことが知りたくて教会に来る子どもなどいません。
子どもをクリスチャンにしたくて教会に送る親などいません。
(クリスチャンホームをのぞいて)

景品が目的でも、遊べる場所が目的でも、一緒に過ごす中で、子どもたちが「ここはイエス様を信じるところなんだな」と、知り「イエスという人は本当に神なのか?」と疑問を持ち「自分と神は、関係があるのだろうか?」と、一人一人が自分で考える時が、いつか来てくれたらそれだけですごく嬉しい事です。

 まとめ

“①公式なこども食堂”が2020年9月に始まり、“②非公式なのぶちゃん食堂”が2021年12月に始まり、“③教会のキッズイベント”が2022年10月に始まり、第4の取り組みとして、2024年4月から土曜学校を開催することにしました。

土曜学校は、のぶちゃん食堂の1時間前から始まるように時間を設定しました。
「土曜学校は嫌」という子は、いつも通り“のぶちゃん食堂”にだけ来ればよいのです。
早く来たい子は、聖書の話もある“土曜学校”で、ゆるりと遊びながら聖書を学ぶ予定です。

さて、何人来きてくれるのでしょうか?
やってみないと分かりませんが、とにかくやってみるのです。

子ども伝道について、「何をやったらいいですか?」と聞く方がいます。
何をしたらどうなる。というのではなく、その時々に必要な事柄や取組は変わります。

  • どのような地域
  • 教会に来てくれる子どもたちはどんな子
  • 何を求めているのか

を知り、ただ要求に振り回されるのではなく、

“その子たちには何が必要なのか”
を、一緒に過ごす時間の中で探っていくのです。

子どもたちは、どんどん成長していきますし、時代はどんどん変わっていきます。
その中で、変わらない福音をどう伝えていくのか?
伝わる伝え方があったとしても、その方法は日々変化していくでしょう。

「○○先生のようにはできない…」と、私も落ち込むことがあります。
でも、「できないことはやらない!」と、開き直ることにしています。

“では、自分は何ができるのか?”

自分にできることをやってみればよいのです。
そうして、神様が送ってくださった一人一人に向き合うのが伝道者の姿勢だと思います。

これを読んでくださった方々の取り組みが主にあって祝され、用いられますように。

Ⅰコリント3:5-8
アポロとは何なのでしょう。パウロとは何なのでしょう。あなたがたが信じるために用いられた奉仕者であって、主がそれぞれに与えられたとおりのことをしたのです。
私が植えて、アポロが水を注ぎました。しかし、成長させたのは神です。
ですから、大切なのは、植える者でも水を注ぐ者でもなく、成長させてくださる神です。
植える者と水を注ぐ者は一つとなって働き、それぞれ自分の労苦に応じて自分の報酬を受けるのです。

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