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次世代育成|ユース(2)

ユース伝道と育成
〜喜びと葛藤〜

南紀キリスト教会
寺田 雄

私とユースとの関わりは19歳の頃に遡ります。神様との出会いを体験した私は、その恵みと喜びを教会の中高生と分かち合うようになりました。4人の男子中学生との一対一の学びから始まりました。また神学校時代は夏休み等の長期休暇毎に帰省し、中高生達と一緒に伝道イベントや学び、キャンプを企画していました。 

そしていよいよ神学校での4年間の学びを終え、25歳から母教会でのユースの働きを本格的に始めました。当時中高生の男子は10名ほどいたのですが、私が担当するようになって1年後には9名に減っていました。私は成長するどころか衰退している現実を目の当たりにし、何かがおかしい思い、神様の前に祈り始めました。そして祈りの中で、自分の中にユース伝道への恐れがあることが示されました。私は伝道への恐れから、コミュニティ作りと学びの中に止まっていたことがわかりました。

しかしこのことを通して、私はもう一度福音と向き合い、その素晴らしさ再発見することができました。また自分にあった不信仰と向き合わされました。ユース伝道を始めると言ったら、ユースのみんなはプレッシャーに感じないだろうか。もし伝道集会に誰も来なかったらどうしようか。そんな思いがよぎる中、一つの御言葉が与えられました。 

「あなたがたがわたしを選んだのではなく、わたしがあなたがたを選び、あなたがたを任命しました。それは、あなたがたが行って実を結び、その実が残るようになるため、またあなたがたがわたしの名によって父に求めるものをすべて、父が与えてくださるようになるためです。」
ヨハネの福音書15章16節
(聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会)

この御言葉によって励まされ、中高生達と伝道イベントを企画するようになりました。そして主の恵みよって伝道イベントを通して、救われる人々が少しずつ起こされていきました。最初は半信半疑だったユース達も一緒に関わり、奉仕し、伝道の情熱が広がっていきました。また新たに救われたユース達も加わることで、さらなる刺激が加わっていきました。イエス様の十字架の愛をもっと知ってほしいと、毎週ユースで集まり、祈り、皆でイベントを企画していきました。そして最大で60名近くの中高生が教会に集うこともありました。予定していた鍋パが、人が多すぎて、炊き出し状態になってしまいました。主は私たちの信仰と祈りに答え、主は多くの中高生を救いに導いてくださいました。 

しかしそのような神様の救いの御業を見る一方で、育成面では課題を抱えていました。救いの決断はしたけれど、そこから毎週のユースグループや礼拝にはなかなか定着しなかったり、信仰が育ってきたけれど、高校を卒業し、進学や就職のために地元を離れ、信仰からも遠ざかってしまうというケースもありました。また最も深刻だったのは、一緒にユースグループで働きをしていた何人かのリーダーの信仰が十分に成長していなかった点です。恋愛や、隠された罪の問題、様々なことが明るみに出て、一人、また一人と教会を去っていきました。当時、自分なりに、ユースリーダー達とは時間を共有し、育成してきたつもりでしたが、彼らがキリストの弟子となり、主のために生きていくという信仰までは、導くことができませんでした。 

私自身これらの経験から学んだことが2つあります。1つはユースの伝道は非常に効果的ということです。もちろんユース達人数や信仰の質、メンバーの賜物にもよりますが、伝道することによってユースグループが活性化するのを見てきました。既に教会にいるユースも改めて福音を聞くことで、福音の素晴らしさを改めて味わい、伝道の思いに満たされていきました。また伝道することで一人一人が、神様の愛を分かち合う喜びを体験します。最終的に救いは主のものですが、私たちは人々に福音を伝え、弟子とするように、召されています。 

もう1つは、ユースには伝道と育成、両方が必要だということです。福音を伝えると共に、ユース達自身もキリストの弟子として成長していくこと、生活の中で御言葉に従い、主を愛することを選び取れるように、導いてあげる必要があります。中高生の時に信仰の基礎をしっかりと築くことができれば、大人になった後も、力強い信仰の歩みを続けることができます。 

ユース伝道と育成は喜びです。私は中高生の頃、気持ちが世の中に向き、主のために熱心に仕えることはできませんでした。しかしユース伝道と育成を通して、もう一度中高生に関わり、仕える機会が与えられました。多くの素晴らしい思い出があります。本当に感謝しかありません。またユース伝道と育成を通して、自分自身と向き合わせられ、自分の信仰も引き延ばされました。

最後にユース伝道と育成には痛みもあります。裏切られた、と感じたり、自分が失敗したと感じる時もあります。でも私たちの主は復活の主であり、回復の主です。主の働きは決して失敗では終わりません。神の国は拡大し続けていきます。そして私たちはその働きに召されています。もし、私のようにユースミニストリーを通して、自分の至らなさ、傷、恥を感じている人がいたら、今日それらを主の前に手放していただきたいのです。過去は主に委ねていきましょう。主は私たちの働きだけに注目しておられません。むしろ働き以上に、働き人を愛し、また気にかけてくださっています。どんな失敗も、いたらなさも主が必ず益に変えてくださいます。そして神様の栄光の、必ず私たちを用いてくださいます。共に主にあって立ち上がり、主が与えてくださっているユース達を愛し、養い、キリストの弟子となるように導いていきましょう。

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