
「主が約束し、
成し遂げてくださった
会堂建築」

井桁 久志
深谷福音キリスト伝道所
旧約聖書ハガイ書2章1節-9節の御言葉は会堂建築を開始する時に、何もない中で与えられた神様からの約束の御言葉です。いくつもの波のように襲ってくる問題に、会堂建築は御心ではないという思いに打ち勝つために、ただこの御言葉の約束を握り続け、信じる以外にありませんでした。主がこの御言葉を通して語り続け、励まし続けてくださいました。会堂建築が主の御心であるとの確信が無ければ、完成することはありませんでした。まさしく、ゼカリヤ書4章6節「これは権勢によらず、能力によらず、わが霊によるのです」の御言葉の通りに、神様ご自身の御業によって、会堂が完成しました。
私たち深谷福音キリスト伝道所が会堂を献堂することができたのは、全国の諸教会の皆様のお祈りと尊い献金と、ただただ主の憐れみと主の真実以外にありません。
始まり
旧会堂は築70年ほどの土壁、トタン屋根の住居付き元店舗で10畳程の礼拝堂でした。始めは賃貸でしたが、購入に至り、兄弟姉妹でリフォームを行い一回目の献堂を行いました。
建物を購入してから、今日までに最初で最後の一度だけ、ポスティングされた有名建築会社の新築に関するアンケート回答シートが届き、信仰をもって受取り、夢を膨らませ新会堂の構想を聖美夫人は始めていました。そんなある日、ある牧師が、教会の看板の為の献金を持って初めて訪れて下さり、一歩会堂に入った瞬間、「看板よりも新しい会堂を建てることが先決だよ」と開口一番言われました。「そんなことは分かっていますよ。でも、先立つものはないし、駐車場のローン返済は残っているし、まだ現実的ではない…。」と心の中でつぶやいたのですが、次の日のデボーションを通して、ソロモンが神殿を建てる箇所が開かれ不思議に思いました。その牧師は、その日以来、電話や会った時に必ず「会堂建築はどうなっていますか」と聞き続けて下さいました。
その牧師の言葉にも励まされて、聖美夫人は新しい会堂の建築準備に立ち上がりました。駅やお店にあるフリーペーパーの雑誌、図書館で本を借り、また建築雑誌を購入して情報収集を始めました。一方でそれを横で見ながら「残っているローンもあって、新しいローンを組むのか。二重ローンになってしまう。」という思いで牧師はいましたが、祈りながら教会の皆さんに伝えて、駐車場ローン返済を繰り上げて何とか完済しました。


信仰を持って踏み出す
2018年8月下旬、会堂建築に進むのを妨げる問題は無くなりましたが、神様の御心かどうか、その確信が欲しいからと牧師自身が真剣に祈り求めた時に、ハガイ書2章1節-9節の御言葉が与えられました。
「2:4 主は言われる、ゼルバベルよ、勇気を出せ。ヨザダクの子、大祭司ヨシュアよ、勇気を出せ。主は言われる。この地のすべての民よ、勇気を出せ。働け。わたしはあなたがたと共にいると、万軍の主は言われる。」これにより会堂建築は神様の御心だと確信して、一歩を踏み出したのです。
いくつもの建物を建てている牧師に新会堂の総費用予算を助言してもらい、その予算を基に祈りつつ、スーモの無料相談窓口に導かれて行きました。手書きの図面を見せて、こちらの希望予算で教会を建てたいと伝えました。数件の建築会社と相談して後、12月上旬に現新会堂を建てて下さった建築会社を紹介されて、恐る恐る相談に訪れました。
一年打ち合わせを重ね、「金はわがもの、銀もわがもの」と約束があったので、融資先の銀行を探し続けましたが数社に断られ、見つからず、建築会社が融資先を紹介されて2019年の11月末に融資事前審査が通り、ほぼ間違いなく融資が通るということになりました。
教会では建築中の牧師夫妻の住まいや礼拝する場所なども与えられ、少しずつ引越しも始めました。二週間の審査期間と言われていましたが連絡は無く、一ヶ月以上経ってクリスマスの直前に、融資は駄目だという答えがきました。クリスマスに教会の兄弟姉妹には言えず、一年最後の日曜日に報告し、教会のムードは暗くなりました。祈祷会メンバーの方は、なかなか会堂建築が進まないのは何か私たち教会内に罪があるかもしれないのではと言われ、悔い改めの祈りをしました。この後に新しい礼拝堂の図面が導かれ、大きく変わり、今の会堂図となりました。
コロナ禍
2020年初め、何の進展もなく建築会社には通い続け、担当者は「資金が満ちるまでいつまでも待ちます。教会が深谷市にあってランドマークとなるような建物になるように、当社で建てます。」と言って下さり、落ち込んでいる私達を励まして下さいました。
そのような暗い日々の中、コロナが世界中に蔓延していき緊急事態宣言が発令され、礼拝の自粛に伴い教会の収入が減り経済的にも大変な状況になりました。もし、2019年末に多額のローンを組んでいたら、この状況で返済はできず、教会は絶体絶命な状況に陥ってしまっていたと気づき、神様がローンを組むことをストップさせられたのだと、はっきりと分かり、神様に感謝を捧げました。また、神様は私たちの教会を守ってくださっただけではなく、何も進展していないような状況の中にあっても、建築資金を増やして下さったのです。それは、教会外から会堂建築の為に献金をしてくださる思いもよらない全国の教会、先生、兄弟姉妹が起こされ、教会債を組み、また数年待った教団の建築ローンを組むこともでき、建築に必要な資金が銀行から借りることなく全て与えられたのです。まさしく御言葉の約束の通り「ハガイ書2章7-8節 わたしはまた万国民を震う。万国民の財宝は、はいって来て、わたしは栄光をこの家に満たすと、万軍の主は言われる。 銀はわたしのもの、金もわたしのものであると、万軍の主は言われる。」でした。ハレルヤ!!
資金が少しずつ増えて会堂を建てられる可能性が見えましたが、コロナ禍の為、ウッドショック、流通の停滞、物価高騰等、なかなか建築工事の予定が組めない状況でした。資材等の高騰となると当初の予算よりも金額が上がるのではないかと不安でしたが、私達の次の方から値段が大幅に上がるということでした。神様の大きな恵み、憐みでした。
旧会堂では夏から講壇の真上から雨漏りが始まり講壇に洗面器を置くようになり、電気コンセントも壊れる箇所がでました。12月に入り給湯器が壊れて、お湯は使えずお風呂に入ることもできなくなり、親族の家や風呂屋を転々とし、会堂がもうこれ以上もたない状況と私達には思えました。
2021年初め、建築がいつ始まるか分からない状況が続く中、信仰をもってこの会堂を壊そうということになり、荷造りを進め、2月には解体業者によって旧会堂を壊し、3月のイースターには起工式を行うことができました。

信仰の試し
起工式の翌日、建築会社に打合せの為に行くと、担当者の方の顔が青ざめていて何か言われるのだと思いました。「教会を建てる場所は準防火地域なので、準防火用の玄関扉や窓や素材を使わなければなりません。つきましては120万円予算アップになります。」と言われました。私たちは愕然として、「120万円は無いし、何故今頃、そのような話をするのか。」と建築会社に疑念を抱いてしまいました。この時に教団内の建築会社勤務の方に相談をし、初心にかえる気持ちで祈りつつ担当者と数回交渉を重ねましたが、それでも97万円は予算アップと言われました。この時、建築確認申請の提出前で新たな図面により講壇背面のデザインが決定されておらず、低予算で、しかも神様の御心の、栄光が現わされるものをと悩みながら祈りつつ考えていた時期だったので、プレッシャーは大きくなりました。
日曜日の礼拝でこのことを伝えて、教会のみんなで祈りました。主の助けがあることを信じて、次の日に再び建築会社に行きました。交渉の真っ最中にお二人の方から電話がありました。これは神様からの励ましの電話だと分かりました。後日、その一人の方と直接会った時に、その方が必要分を献金しますと仰られ、内心信じられずに驚き、しかし神様の御名を崇め感謝しました。建築に思っていた以上に時間がかかることを実感しながら、本当に献堂に至るのだろうか、建てることは愚かな人間的な無謀なことだったか、信仰の不足、祈りの足りなさ、取り乱す寸前の時でした。波のように押し寄せる無理難題のように思える事柄を乗り越えても、今度は限界かもしれない、と落ち込んでいた時、まさにその日に、神様は人を通して私達に神ご自身が居られ、知っており、見ておられることを現され、生涯に残る奇跡として示され私達は感謝しました。
必要が直ぐに満たされましたが、教会内では今回のことは会社のミスの為、97万円は会社負担にしてもらう方がいいという意見がありました。これまでと、これからのことを考えると会社ともめたくないという思いが牧師にあり、神様に答えを求めました。なんとデボーションの箇所が申命記2章1-8節から「神様は、争うな、金で買って食べ、飲みなさい、あなたに恵みを与えたのだから。」と明確に答えられました。教会は争わず、抗議せず、前進するとして、会社に97万円を支払うことができました。それと同時に、神様の御心の十字架が天井から床までの大きさで示され、十字架による以外の救いは無いことを窓のデザインを通しても道行く人々に示されるものが与えられました。
夢に見た完成
2021年7月に着工となり建築が順調に進んでいくと思いましたが、ウッドショックの故に大黒柱が入荷しないというので、上棟の日が延期となりました。現場監督からは、明確な日程は不明との話でした。「まさか、またか⁉」と不安に思いつつ、クリスマス前に引き渡しをと祈り求めました。上棟ができるとの連絡を9月に受け、本当に安堵し喜びました。棟梁の方は「クリスマスには新居で過ごしたいでしょう。」と働いて下さり、神様の祝福により建築会社関係者たちが快く仕事をスムーズに早く完了してくださり、11月末に完成、12月の上旬に引き渡しとなりました。最後にギリギリまでトイレ等が未入荷で、引き渡しが遅くなると言われドキドキしましたが、期日に間に合いました。
12月11日にテープカットをして引き渡される時には、教会の兄姉と一緒に新しく与えられ完成した神様の礼拝堂に入ることができ、大変感動しました。それから入堂式を行い、何も整わない礼拝堂で最初の感謝の礼拝を神様にささげました。

『あなたのしもべ、わたしの父ダビデに約束されたことを守られました。
あなたが口をもって約束されたことを、手をもってなし遂げられたことは、
今日見るとおりであります。』 歴代誌下6章15節

経済的にも、社会的にも、人数的にも、信仰的にも問題だらけであり、誰もが建たないのではと思い、何度も暗礁に乗り上げるようでしたが、ただただ神様の御業によって完成しました。
会堂建築を振り返るとただ与えられた神様の約束(ハガイ2:1-9)を信じ続け、その御言葉だけを握り続けました。そして、約束の御言葉通りに成りました。
これからもイエス・キリストの福音を伝える教会として、主の約束を信じて進んでいけるようにお祈りください。
すべての栄光を主イエス様におかえしいたします。



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