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「ただ今、子育て奮闘中!with JESUS」②

 「ただ今、子育て奮闘中!with JESUS」② 

平松 恵子(桶狭間キリスト教会伝道師)
「失敗させたくない母親と失敗したくない娘たち」

娘たちは、失敗したくないと思っています。と言うよりも失敗してはいけないと思っているところがあります。「失敗したくない。」「失敗して、笑われたくない。」小学生である娘たちは、人一倍その思いが強いように感じます。寝る前に娘たちと毎晩お祈りをするのですが、その前に「ママ、話したいことがあるの、お祈りして。」と話す内容は、大体学校での心配ごとです。そして、「失敗したらどうしよう。」という内容のものが多くあります。

 失敗させないように…私は、無意識に子育ての中でそのようにして来たことを反省しています。生後8,9か月頃には、つかみ食べをさせた方が良いと言われていますが、つかみ食べをした後の片付けは大変です。こぼさないようにつかみ食べが出来る時期でも、私がスプーンで全部食べさせていました。オムツを取る時にも、娘たちはほとんど失敗したことがありません。これはオムツを取るのにあまり苦労しなかった、とも言えますが、失敗させると後が面倒なので、失敗させないように全部こちらがお膳立てしまったとも言えます。そのような中で、娘たちも失敗しないように、また失敗してはいけない。と言う価値観を身に付けさせてしまったのかもしれません。

 私が大学生の頃、ある牧師家庭で夕食をご馳走になったことがあります。その時、揚げ物の横にレモンが添えてありました。小さな娘さんが、レモンに手を伸ばし食べようとしたので、私は「これは酸っぱいよ。」と止めようとしました。しかし、牧師婦人は笑いながら、「いいのよー食べてみたら分かるから。」と言ってレモンを口に入れることを止めませんでした。結果…小さな娘さんは、べーっと舌を出し、思っていた味とは違うレモンを二度と口に入れることはありませんでした。なんでも止めるのではなく、こうやってやらせて覚えさせることは大事なことなのだ。なるほど~と思った記憶がありますが、いざ自分の子育てとなるとなかなか実践出来ません。食べかけたレモンはどうなるの?機嫌が悪くなったら面倒だから…。やっぱり私は、失敗しないように娘たちを育ててしまっています。理由は、失敗したあとが面倒だからです。

 ただそうは言っても、私自身は失敗だらけで反省することばかりです。結婚したばかりのころにレタスを野菜室に入れたつもりが、冷凍庫で凍らせてしまったことがありますし、砂糖と塩を間違えてしまってとんでもない味のものが出来てしまったこともあります。娘の学校の行事に参加するつもりで出かけたら、誰もいなくておかしいな~と思っていたら、スケジュール日程を間違えていた…、なんてことも珍しくありません。

 子どもと母親の関わりは、おぎゃーと生まれたその瞬間からノンストップで続いています。園生活や学校などで一時的に離れる時間があったとしても、基本的に毎日の関わりは休みなく続いていきます。いつも、良い関わりが出来たら感謝ですが、私は本当に失敗だらけの子育てです。

 長女が、4歳になりピアノを教えることになりました。親子では難しいと聞いていたものの友だちの子どもや教会に集う子どもたちも一緒に教えることで、長女とも先生と生徒の関係を築くように努力しました。それでも、やはり親子です。お友だちがいるときは良いのですが、親子だけの練習となると、上手く行きません。「もうやらなくていい。どうして出来ないの?」NGワードが続々と私の口から出てきます。否定された長女は、泣き出し練習になりません。すると、足元で聞いていた次女(当時2歳)が、何とか空気を変えようと「ねえねえ、じょうずよ。」と言って手をたたいて、褒めていました。その言葉で我に返って私は、そうだよね。まずは、褒めてあげないと練習する気持ちになれないよね。と深く反省しました。

 最近の話では、長女が「お姉ちゃん嫌だ。」と言い出しました。この春、新一年生の次女が何かと注目され、親の意識もそちらへ向きがちでした。クラス替え、新しい担任にすんなり馴染んでいるように見えたこともあり、長女に対しては、ノーマークで、ある意味安心していました。私は私で何かと忙しく心の余裕もなく、「お姉ちゃん嫌だ。」と言われて、寄り添う言葉が出て来ませんでした。「神様が決めたことが1番いいの!!長女に生まれるように神様が決めたから、それがいいの!!」長女からしてみれば、そりゃそうなんだけど…と分かっているはずです。その前に、「お姉ちゃんは大変だよね。」長女は、きっとそう言って寄り添ってほしかったのだろうと思います。そして、どうしてお姉ちゃんが嫌なのか聞いて欲しかったのかもしれません。イライラしていた私は「そんなこと言っても妹と代われないでしょ!」などと言って娘を悲しませてしまいました。自分の間違いに気づいたので、「ごめん、分かっているよね、そんなこと。お姉ちゃんは大変だよね。」と訂正しましたが、娘の心は閉じられて言葉が届かず、そのまま長女は寝てしまいました。またやってしまった…。私は、失敗した自分が赦せないでその日はなかなか寝付けませんでした。

 失敗エピソードを書こうとすると、次々と出てきます。日々の歩みは失敗が付き物です。当然のことですが、親も子どもも間違えたり、失敗したりしても良いのです。と言うよりも、人生は失敗しないではいられない。と言う方が正しいのかもしれません。もちろん、ベストを尽くすことは大事ですが、ベターしか出来ないこともよくあります。失敗したとしても、親がその後どうするかを子どもたちは、よく見ていますし、そこからよく学んでいます。

 子どもたちが失敗することを恐れないで(私の場合は、面倒だと思わないで)見守ること、失敗の多い子育てに気落ちすることなく今日も子どもに向き合っていきたいと思います。神様は、一度も失敗したことのない人を求めているのではありません。失敗してもそこから立ち直らせ、人々を勇気づける者に変えてくださるお方がおられることを忘れてはいけません。

「しかし、わたしは、あなたの信仰がなくならないように、あなたのために祈りました。だからあなたは、立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」

ルカによる福音書22章32節

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