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子ども伝道②『子ども伝道のこころ 2』

こどもたちに
伝えることのできる恵み

 私は小学生のころ、お寺の子ども会に通っていました。今思えば、それは教会の日曜学校のような集まりだったと思います。歌を歌ったり、お話しを聞いたり、おやつを食べたり、遊んだりしてとても楽しかったのを思いだします。お寺の子ども会に通っていた私が大人になってイエス様を信じ、子ども伝道に関わらせていただくようになったことは神様の不思議な導きだと思います。

 また、子ども伝道の志が与えられたのも神様の不思議な導きのように思います。私は教会に導かれる前に、キリスト教の異端といわれるグループで聖書を学び始めました。やがてそのグループの教えを信じ、そのグループのために一生懸命働くようになりました。後にこのグループの教えが間違っていたことに気付くわけですが、その間違った教えのひとつがイエス様の十字架と復活に関する教えでした。

 そこで教えられたのは、イエス様の十字架のわざは完全ではなかったということでした。すなわち、イエス様の救いのわざは失敗したというのです。またイエス様の復活は霊的な復活であって、肉体の復活ではないと教えられました。聖書が教える復活とは異なることを教えられたのです。

 このようにイエス様の十字架のわざと復活が不完全なものであったとすれば、私たちの救いのためにはイエス様とは違う救い主が必要だということになります。やがて私は、イエス様とは違う人物を救い主として信じるに至りました。

 このことをふり返るときに、「もし私が、聖書が教える十字架と復活を聞いていたらこの偽りの教えに気付いたのでないか」と思います。少なくとも誤った教えを聞いたときに違和感を覚えたのではないかと思うのです。

 それゆえ、私は子どもたちにイエス様の十字架と復活を伝えたいと思っています。誤った教えに出会う前にイエス様の十字架と復活のお話しを知っていれば、誤った教えに違和感を覚え、誤った教えから遠ざかることができるのではないかと思うからです。

 子ども伝道をすることを後回しにしようとする考えのひとつに、「子どもが大人になってから」、「子どもが大きくなってから」という考えがあるように思います。しかし、イエス様の十字架と復活はすべての人にできるだけ早くお伝えすべきことではないでしょうか。

 使徒パウロは次のようにいいました。

「私があなたがたに最も大切なこととして伝えたのは、私も受けたことであって、次のことです。キリストは、聖書に書いてあるとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、また、葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおりに、三日目によみがえられたこと、15:5 また、ケファに現れ、それから十二弟子に現れたことです。」(Ⅰコリント人への手紙15:3b-5)

 イエス様の十字架と復活は、子ども伝道においても私たちが大切なこととして語るべきことなのです。そしてイエス様の十字架を子どもたちに語ることによって私が知ったことは、「十字架の言葉には力がある」ということです。

 私は昔、教会の近くにある公園で、週に一度、子どもたちと賛美をうたい、一緒に遊び、聖書のお話しをし、子どもたちにイエス様のことを伝えていました。

 公園伝道には毎回くるお友だちもいますし、一度きりのお友だちもいます。ですから初めて来たお友だちがいるときはできるだけ十字架と復活のお話しをするようにしていました。私がこのお友だちに語ることができる機会は、この時しかないかもしれないからです。

 公園で聖書のお話しをしても子どもたちがまじめに聞いてくれないことがあります。中にはお話しができないようにふざけて邪魔するお友だちもいます。

 しかし、十字架のメッセージを語ると、子どもたちが真剣に耳を傾ける姿を何度も見させていただきました。子どもたちの目が急に輝くのを見たこともあります。そのような姿を見るときに十字架のメッセージは子どもたちにも届くし、子どもたちにとっても特別なメッセージなのだということを知るのです。十字架の言葉に力があります。人を救う力がありますし、人の心に働きかける力があるのです。

 私は子どもたちにイエス様のことを伝えることができるのは、恵みだと思います。私の長男は2歳と7ヶ月のときに病で死にました。人は誰しも、いつこの世の生を終えるかわかりません。これは当たり前のことですが、案外忘れてしまっていることではないでしょうか。私は親である私の方が、息子よりも先に死ぬものと漠然と考えていました。しかし、息子が私よりも先にこの世の生を終えたのです。これは私が漠然と自分よりも子どものほうが長く生きると考えていた考えを打ち壊すものでした。それゆえ、子どもたちにイエス様を伝えることができるのは、恵みだと思うのです。こどもが大人になってからとか、子どもが大きくなってからと言って先延ばしするのではなく、子どもに伝道することの恵みを心にとめてこれからも子ども伝道に関わらせていただきたいと思っています。

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