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子ども伝道①『子ども伝道のこころ』

 これまで子ども伝道に多くの時間を割いて関わってきました。イエス様を信じてすぐの頃から、神学生になっても、伝道師になっても、そして牧師となったあとも、ふり返ればたくさんの時間をこども伝道に用いさせていただきました。教会で行っていた英会話教室でのお話しを週にいくつか担当し、公園伝道も毎週二箇所で行っていました。もちろん日曜日に行われる教会学校でも、子どもたちに聖書のお話しをしました。学校が終わってから遊びにくるおともだちと時間を過ごしたり、子どもたちのためのゴスペル教室にも携わったりしました。このように毎日、子どもたちと関わり、聖書のお話しをしていたことを思いだすことができます。それは私が子ども伝道を大切なことと考えていたからだと思います。

 今回、それらのことを思い返しながら、私はどうして子ども伝道を大切なことと思っていたのかについてお話ししたいと思います。そのことによって参考にしていただけることもあろうかと思うからです。

 はじめに、私は「恩返しをしたい」との思いで子ども伝道に携わっていたことを思い起こします。私はかつてキリスト教の異端であり、カルトである宗教グループの信仰をもっていました。私はそこから救われ、イエス様を信じました。そんなカルトグループで活動していた私は、異常な精神状態で、異常な環境で過ごしていました。ですからイエス様を信じた後も、「普通」の社会生活に馴染むのが難しかったのです。社会生活に馴染めないがために心を開くどころか、体には鎧をまとい、顔には仮面をつけているような状態で日々を過ごしていました。

 そんな私にとって正直に思いを言いあらわす子どもたちとの関わりは、私が着けている仮面を剥ぎ取り、鎧を脱がせ、少しずつ心を開くことができるようにしてくれました。私は子どもたちとの関わりの中で、少しずつ自分の感情を表現することができるようになりました。喜怒哀楽を出せなかった私が、少しずつそれをあらわすことができるようになったのです。それは私にとって大きな変化でした。子どもたちは私を癒し、私が社会生活を送ることができるように手助けしてくれたのです。

 ですから子ども伝道をするとき、私は恩返しをさせていただいているという思いがありました。多くの時間を子どもたちとの関わりに充てることができたのは「恩返し」という思いがあったからだと思います。やってあげているという思いで関わっていたら、多くの時間を子ども伝道のために費やすことはできなかったと思います。

 子どもたちとの関わりは大人との関わりでは与えられない気づきを与えてくれたり、楽しみを与えてくれたりするのではないでしょうか。私たちは子ども伝道をすることによって与えているだけでなく、子どもたちから多くのものを与えられるのです。

 また子どものたましいの大きさに関する気づきも、私にとっては大切なことでした。聖書には次のような言葉が記されています。『さて、イエスに触れていただこうと、人々は幼子たちまで連れて来た。ところが、弟子たちはそれを見て叱った。しかし、イエスは幼子たちを呼び寄せて、こう言われた。「子どもたちを、わたしのところに来させなさい。邪魔してはいけません。神の国はこのような者たちのものなのです。」(ルカの福音書18:15-16)

 弟子たちはイエス様のもとに幼子を連れて来た人々を叱ったのです。このような心が私の心にもあることに気付きました。それは、子どものたましいは大人のたましいに比べて小さいと何気なく感じる心です。 私の田舎には家の裏に墓がありました。一人にひとつずつ墓石が置かれ、沢山の墓石がありました。子どもだった私はある時、祖父とともにお墓に行きました。祖父は墓石に刻まれている名前を読み、その人がどのような人だったかを私に話してくれました。すると、他の墓石に比べ半分くらいの大きさの墓石がありました。祖父に聞くとそれは子どもの頃に亡くなった人のお墓だと教えてくれました。また、小さな石が置いてあるだけのお墓もありました。そこには文字も刻まれていません。祖父は「それは生まれてすぐに亡くなった赤ちゃんのお墓だ」と教えてくれました。そのとき、私は、大人は大きい墓石、子どもは小さい墓石、赤ちゃんはもっと小さい石、そうか、なるほどと、納得した記憶があります。このことは私が大人と子どもや赤ちゃんの魂の大きさには違いがあると、なんとなく考えていたことをあらわしているのではないかと思います。そして心のどこかにこのような考えがあると、弟子たちが幼子を連れて来た人々を叱るようなことが起こるのではないかと思うのです。しかし、それはイエス様のお心とは違いました。イエス様は「子どもたちを、わたしのところに来させなさい」と言われたのです。子どもの魂も大人の魂もイエス様にとってとても大切なたましいなのです。「子どもたちを、わたしのところに来させなさい」イエス様のこの言葉心にとめて子ども伝道にこれからも関わらせていただきたいと願っています

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