認知症と
予防についてⅢ
柿谷 孝子
須崎キリスト教会牧師
ベテルホームすさき施設長
認知症、その言葉からは悲しさ、寂しさが響いてくるかも知れない。
確かに、言葉が出てこなくなったり、出来ていた事が。出来なくなる。
目前の物が何か、どうやって使うのかわからない(失認、失行という)。
自分自身が崩壊していくような拭えない恐怖の中で日々を過ごしているのです。誰かが、何かが支援の手を差し伸べなくてはならないのです。恩着せがましくではなく、恥をかかせるのでもない。また、上から目線で接するのでもなく、お節介や押しつけでもなく、さりげなくすべきでしょう。支援を受けている当人は繕う言動があったり、作話が出てきたり、戸惑いの様子や困惑がみられる時様々な局面もその方の短くも長い人生は忍耐の時を過ごし、かくしゃくと生き励んでこられた姿なのです。脳が委縮するほど人様の世話をし、働いて来られた事を思うといじらしくさえ思え、尊く美しいと感じます。そのような方を決して疎かにすることなく丁寧に寄り添うことが大切だと思います。
認知症予防の五つ目に “生活リズムを整える” 事も大切なことの一つです。
ある程度規則正しい生活をすることが望ましいです。夜は好きなように遅くまで起きていたり、朝はいつまでも寝ているというのはいかがなものでしょうか。朝起きたら朝日を浴び、食事や睡眠の時間等気ままにしないことが大切です。
次に認知症の早期発見のためのチェックリストを挙げておきましょう。
*今、切ったばかりの電話の相手を忘れる。
*同じことを何度も言う、問う、する。
*物のしまい忘れ、置忘れが増え、いつも探し物をしている。
*財布、通帳、衣類などを “盗られた” と思い、他者を疑う。
*料理、片付け、計算、運転などでミスが多くなった。
*新しいことが覚えられない。話のつじつまが合わない。
*テレビ番組の内容が理解できなくなった。
*約束した日時や場所を忘れるようになった。
*慣れた道でも迷うことがある。
*些細なことで怒りっぽくなった。
*周囲への気遣いがなくなり、頑固になった。
*自分の失敗を他者のせいにする。
*“この頃様子がおかしい” と周囲から言われた。
*一人になると怖がったり、寂しがったりする。
*外出時、持ち物を何度も確かめる。
*“頭が変になった” と思う。訴える。
*下着を替えず、身だしなみを構わなくなった。
*趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった。
*ふさぎ込んで何をするのも億劫がり、嫌がるようになった。
次に、介護の負担を軽減できるサービスや施設を挙げておきましょう
自宅で住み続けるために介護保険を使って利用するには介護認定を受ける必要があり、役所などに問い合わせ、申請しましょう。
- 通所介護(デイサービス)事業所に通って生活の支援や機能訓練を行います。
- 通所リハビリテーション(デイケア)リハビリを中心に行います。
- 訪問介護。ヘルパーが自宅に訪問し、身体の介護や家事の援助を行います。
- 訪問看護。自宅に看護師が訪問し、症状の観察や栄養面の管理、医療的なケアーを行います。
- 短期入所(ショートステイ)介護者の病気や仕事、休息のため特別養護老人ホームや老人保健施設、有料老人ホーム等に短期間宿泊し、介護や機能訓練のサービスを行います。
尚、住宅改修、福祉用具貸与(レンタル)の利用ができ住宅改修は改修費が補助されます。では、何処へ相談すればいいのでしょう。
最後に認知症の介護は必ずしも自宅で看なければいけないものではありません。また、家族が看なければいけないものでもないのです。
一人で抱え込んだり悩んだりせず、住所地の役所や、医療機関などにも相談してみましょう。必要があって施設等に入所するとしても、決して心責められることではありません。地域社会にあるサービスを上手に利用して介護する側、される側の双方が穏やかで幸せに暮らせることが大事なのです。
認知症について①~④はどなたでも得ている情報だったかと思いますが、お読みいただき有難う御座いました。
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