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宣教-「宣教師の証し」アレックス・ハンフリーズ

宣教師の証し

アレックス・ハンフリーズ
Alex Humphreys

写真:アレックス&キャサリン・ハンフリーズ

 第二ペテロ3章9節は、神がすべての人を愛し、救われることを望んでおられることを明らかにしています。そして神様は、最もありそうもない人をもご自分の働きのために用いられます。私もその一人なのです。

シンシナティ|https://map.yahoo.co.jp/

 私は、アメリカの中部のごく普通の小さな町で育ちました。人口2万人の町で、自分と同じような人に出会うのはまれなことです。やがて父の仕事の関係で、人口200万人を超えるシンシナティという大都市に引っ越しました。新しい学校では、いろいろな国の生徒と出会いましたが、その中に一人の日本人の青年がいました。その出会いによって私の人生が変わったのです。

初めて日本人と出会ったごろ

 彼は、父親の会社からアメリカに派遣されることになり、家族でやってきました。彼と知り合ううちに、彼が英語を学ぶのを手伝う中で私たちは友達になりました。彼はドラゴンボールZを見たり、ビックリマンシールを集めたり、UFOインスタント焼きそばを食べたりと、日本の文化で素晴らしいことをたくさん紹介してくれました。(少なくとも、若い人にはそれが日本の文化なのです)しかし彼のことを知るにつれ、イエスという名前を聞いたことがなく、聖書を読んだことも、教会に行ったこともない、という悲しい事実を知りました。世界で最も発展した国のひとつに住む人が、どうして福音を聞いたことがないのか、私には理解できなかったのです。私はずっと教会で育ってきたので、これには唖然とするばかりでした。

焼き鳥の体験

 このことを知ってから、私は日本の人々のために祈り始めました。そして神様は、私自身が日本の人々に伝道しに行く可能性に私の心を開いてくださったのです。アメリカの小さな町から来た人間にとって、これは非常に大きなことでした。私は優秀な学生でもなく、裕福な家庭でもありませんが、神様が私を日本での宣教師に導いてくださるのを感じました。その導きは、声として聞こえるものではなく、日本の人々に対する絶え間ない重荷というようなものでした。さらに、日本という国を指し示している確認が何度もありました。

 その中には、私の人生に預言的な言葉が語られるなど、奇跡的な行いもありました。また、超自然的な形で、神様がはっきりと日本を指し示してくださったこともありました。また、小さな確信も与えられました。例えば私の高校では、外国語の選択肢の一つに日本語があり、これはアメリカでは非常に珍しいことなのです。しかも、私が住んでいた大都市では、日本語を外国語として学べる高校はその学校だけだったように思います。そのため日本に来る前から、福音を伝えるための準備として、日本語の基礎をしっかり身につけることができたのでした。

 中学、高校を通じて、日本への愛と福音を伝える重荷が大きくなりました。私は、アッセンブリーズ・オブ・ゴッド聖書学校に進学し、宣教を学びました。ある夏休みに私は日本への短期宣教旅行に参加し、その経験が私の召しを決定づけることになりました。夏に来日し、新潟県新発田市で奉仕していた宣教師一家のもとで3ヶ月間の働きをしました。その場所にいたことさえも、私にとっては新しい経験となりました。雪の積もった山々を見たことがなかったからです!毎日、イエス様の名前を聞いたことがない日本人に会いました。すべてが驚きの連続だったのです。

神学校のクラスメイトとの交わり

 その旅行中、私は宣教師と一緒にトラクトを配り、様々な英語のパーティーを持ち、また、地元の大学を訪れて学生たちと交流しました。また、教会にはイエス・キリストを信じた中国人がいて、彼の洗礼式にも立ち会うことができました。この旅での経験を通して、私は自分の人生で何か他のことをしても、自分の人生に対する神様の御心を満たしているとは感じられないと思うほどでした。感謝なことに、神様は私を一人で行かせようとはせず、聖書学校にいる間に、妻となるキャサリンとの出会い備えて下さっていました。

 キャサリンはクリスチャンの母親のもとで育ちましたが、父親はノンクリスチャンでした。お父さんは、彼女が牧師になることを喜ばなかったので、キャサリンは勉強し、卒業してから必要であれば自活する方法を見つけなければならないと思っていました。キャサリンは宣教への召命を感じていましたが、どこの国に行くべきか分かりませんでした。そのためにお金を貯めて、宣教師を認めていない国にも行けるようにと、教育学を専攻しました。日本は選択肢として考えたことがなかったようですが、私たちが結婚するために神様の導きを感じる中で、彼女は将来日本で宣教活動をすることについて祈り始めました。今日、彼女の召命は、私と同じように確かで活気に満ちています。実際、キャサリンは私よりも日常生活の中で個人伝道の機会を多く持っているのです。

 私たちが宣教師として活動している間、神様は私たちに2人の素晴らしい子供たちを与えてくださいました。そして、これを書いている時点で、私たちは日本に17年以上滞在しています。つまり私たちにとって日本は、世界のどこよりも故郷なのです。夫婦としては、結婚生活の大半をここで過ごしてきました。家族としても、ほとんどの時間をここで過ごしてきました。これは宣教師によくあることです。宣教師は自分の国にいることをささげて、神様に遣わされた国で生きていきます。

 娘たちにとっても私たちにとっても、アメリカには懐かしいものがたくさんあり、帰る機会があれば楽しみです。しかし、同じようにアメリカにいるときは、日本が恋しくなり、早く戻りたいと思うことがたくさんあるのです。私の場合は日本にいると本物の南部バーベキューが食べたくなり、アメリカに帰ると食べ過ぎてしまいます。そして、アメリカにいると、納豆巻きを食べたくなるのです。日本に戻る際、空港のコンビニで最初に買うのは、たいてい納豆巻きです。

(写真:夫婦の初来日)

 宣教師にとって、日本で長い時間を過ごすことを心に決めることは重要なことです。日本人に福音を伝えるということは、その人たちが福音を聞く機会を得るために、一貫した時間をかけて人と関わるということです。ある宣教師は、「日本は長期戦だ」とよく言っています。また、「忍耐強い人間関係」に基づく宣教という言い方もあります。神は偉大で力強い方法をもって働かれることができ、実際にそう働かれますが、ほとんどの場合、神の働きは人々が私たちを信頼することを通してもたらされます。

 それは人々があなたを信頼するようになるだけでなく、イエスに従う者としてのあなたの生き方を人々に見せることでもあります。日本でクリスチャンであること、特に宣教師や牧師であることは、信仰の歩みにおいて一貫性と透明性が必要です。アメリカの宣教師として、私たちは目立ちます。誰もが私たちに気づきます。私たちは隠れることができません。だから、私たちが夫婦としてどのように接し、子供たちにどのように接し、どのような場所に行き、どのようなことをしているか、人々が見ていることを常に意識しています。

 つまり、私たちの人間関係やライフスタイルは、イエス様の福音を他の人々に伝えるための重要な要素なのです。しかし、そのどれもが祈りに包まれなければ意味がありません。人々の生活の中で聖霊が働くことこそが、人々を変える唯一のものであると認識しています。その人の魂にみことばが蒔きかれる機会を作ってくださるのは聖霊です。神の真理を宣言するために、しるしや幻や夢を与える奇跡を起こされるのも聖霊なのです。

キャサリンとママ友

 そのような思いにより、キャサリンは日本国内においてChange the Map(チェンジ・ザ・マップ)のアドボケート(支持者)となることを引き受けました。Change the Mapは、仏教の世界観を持っている国のために祈ることに重点を置いた祈りの推進運動です。目標は、仏教の影響下にある国から、福音の影響下にある国へと「地図」(map)を変えることです。この祈りの運動を通して、仏教とその教えを通してサタンの破壊的な力が働いていることが分かります。これらの教えは人々の心を縛り、福音の真理を聞いたり理解したりできないようにしているのです。

 多くの人は、宣教師も日本人のクリスチャンも、仏教がこの国の人々の魂に与える影響を軽視しています。しかし私たちは、仏教は敵が福音の普及を阻止するために用いた特殊な手段であると確信しています。地元の教会においても、宣教師グループにおいても、仏教の考え方から霊的に解放されるように祈るよう、いつも人々に勧めています。仏教もキリスト教も平和を促進するものだから同類ではないかと考える人もいますが、両方をよく見てみると、完全に対立していることが分かるのです。

 祈りの力と福音を語ることは、地域教会を通して行うのが一番です。このことは、私たちが初めて日本に来たときから、重要だと感じていたことです。神様は、私たちが地域教会に力を注ぐことを望んでおられるのだと思いました。来日前は、どのような働きをするかとよく分からなかったのですが、来日後、神様は私たちを東京シティチャーチで働くように導いてくださいました。この教会で牧会や弟子訓練や伝道などの手伝いをすることで奉仕してきました。

 先に述べたように、日本でのミニストリーの成功には一貫性と忍耐が必要であることがわかりました。これだからこそ、この一つの教会に多くの焦点をあててきました。その結果、信頼関係を築くことができ、時には友人をこの地域教会につなげることができました。

東京シティチャーチでのクリスマス礼拝

 しかし、私たちの働きはこの教会に限られたものではありません。様々な教区のミニストリーに携わることができ、光栄に思っています。すなわち キャサリンは教区の女性部に、私は教区の青年部に奉仕させてもらっています。このようなチームの一員として信頼されることは謙虚な気持ちにさせてくれます。ミニストリーの役割に対する期待に応えることができるようにとよく祈っています。

 さらに、私たち二人は、教区聖会の働きをさまざまな形で手伝っています。これは宣教師として貴重なことで、日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド(JAG)の牧師先生方と親密な関係を築くことができるからです。JAGの牧師先生方は、同教会で育ったり、若い時から同じ教区のイベントに参加したり、神学校の同級生だったりするので、すでにつながりがあります。私たちにとっても、教区のイベントで牧師と一緒にミニストリーやアウトリーチに参加することによって、JAGの牧師である兄弟姉妹の喜びや悲しみや重荷などを知ることができます。私たちは牧師の友人たちのために、どう祈ればよいかを明確に学んでいます。

 2021年9月、私たちは在日米国宣教師団(AGMF Japan)のフィールド・コーディネーター(団長)という務めをすることになりました。この働きは日本にいるアメリカ人宣教師に直接関係する活動ですが、JAGにも大きな影響を及ぼすと思います。役割としては、アメリカの宣教師と教団の間の公式なインターフェイス(結び付け)として機能するものです。私たちは、宣教団をリードしながら、宣教団体の決定や行動が日本の教会にどのような影響を与えるかを常に熟慮しています。

 しかし、この役割における私たちの主な目的は、日本にいる宣教師のための「ドアオープナー」(扉を開く者;他の人が利用できないような機会を提供する人)になることです。他の宣教師が神様から召されたことを実行できるようにサポートしたいと願っています。私たちが自分でできることはわずかが、他の人を支えることによって、私たちの努力は何倍に拡大されます。例えば、ミニストリーの機会への扉を開く、教団の牧師先生方との関係への扉を開く、私たちが得た情報を通してより良い決断ができるようにという扉を開くなど。このように、私たちは「ドアオープナー」の役割として仕えています。

 フィールド・コーディネーター、教区の働き、地域教会の牧師として奉仕している私たちは、神様が日本に召してくださり、素晴らしい機会を与えてくださったことに心から感謝しています。

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コメント一覧 (1件)

  • 日本での宣教に体を張っている事ありがとうございます。
    召された経緯を拝読し、神様の声に従われたアレックス・ハンフリーズ先生の覚悟に感動しました。
    様々な御用に励んでおられることも知りまして、感謝しましたし、祈らせていただきました。
    CBC後援会が学生会の皆様と共に企画執行している「中央聖書神学校の環境整備のための草刈等のご奉仕」にもご家族でご参加頂いていますので、このレポート・お証には深く納得し感謝しています。

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