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野球の窓から聖書の真理を眺める④

今回は、ニューヨーク・メッツで大活躍した千賀滉大(こうだい)投手の窓から聖書の真理を眺めていきましょう。

常に上だけを見る

 2010年のプロ野球ドラフト会議、表舞台ではハンカチ王子こと斎藤佑樹君が注目されていました。その陰で、無名の千賀さんは、育成枠4位でひっそりと入団しました。育成枠は、底辺と言われ、かこくで、やめる人も少なくありません。それでも千賀さんは、「常に上だけを見ていれば、行動はかわる。」と当時をふりかえるように、自分を信じて、スキルアップに取り組みました。すると、1年で球速が10㌔UP!おまけに千賀の代名詞「おばけフォーク」を投げられるようになったのです。5年後には、だれもが認めるソフトバンクのエースとして輝きをはなちました。人は、信じて取り組むことで強くなります。

 聖書にも、ドラフト会議のような話がでてきます。場所は、表舞台のエルサレムではなく、ガリラヤから始まりました。当時のガリラヤとは、偶像崇拝、盗み、うそ、争い、性的な乱れなど、罪が横行していた影の地域です。イエス様は、そんなガリラヤ出身の漁師で無名なペテロとアンデレ、ヤコブとヨハネを指名して言われました。「わたしについて来なさい。あなたがたを、人間をとる漁師にしてあげよう。」(マタイ4:19) 彼らは、戸惑ったとは思いますが、すぐに従いました。魅力的な転職に見えたのかもしれません。とはいえ、無学で、欠点だらけの彼らにとって、畑違いの“人間をとる漁師”は、底辺からの出発でした。しかし、彼らは、常に主だけを見ていたことで、行動が変わっていきます。3年半が過ぎたころには、知力も品性も磨かれて、表舞台のエルサレム、ユダヤと、世界に影響を与えるリーダーとして輝きを放ちました。

 同じように、私たちも主を信じて取り組むなら、引き上げられます。主を信じる者は、あらゆる点において、かしらであるキリストに向かって成長するからです。(エペソ4:15)

 もし、私たちが戸惑いの陰にいたとしても、主は引き上げてくださるのです。私たちが、新しい仕事を始めようとする時、新しい学校に通い始めようとする時、いろいろな問題が起こります。人間関係のむずかしさを感じたり、人との比較の中で、自分の無力さに打ちひしがれることもあるでしょう。または、思ったよりもむずかしい環境やポジションにつくことで不安になることもあるでしょう。しかし、どんな状況でも、常に主だけを見ていれば、主が、私たちの歩みを守り、助け、あらゆる面で成長させて下さいます。だから、進むべき道が神のみちびきであると確信するなら、人生のビジョンをかかげ、忍耐強く、今すべきことに取り組んでいきましょう。

闘争心だけでなく人間力

 ニューヨーク・メッツが千賀さんを獲得する前に注目したのは、投球内容だけではなく“競争を恐れていない目”だったといいます。底辺から“はい上がってきた苦労人”の強さが顔つきに表れていたのです。さらには、契約交渉時の千賀さんの振る舞いと“友人への接し方”が高評価につながりました。それは、千賀さんの中に、闘争心だけではない、他人や友への思いやりや広い心があることが見えたからです。競争社会で多様性のあるニューヨークでは、剛速球や変化球だけではない武器を持っていることが成功のカギだというのです。野球に限らず、人は、能力だけではなく、人間力が問われるのです。

 イエス様は、まだまだ育成されていない弟子たちの中にも、きらめく人間力を見ていたのでしょう。やがて、聖霊に満たされた弟子たちは、敵をも恐れない目をしていました。しかし、それは決して、何か狂信的で周りをよせつけない雰囲気ではありません。むしろ、「神を賛美し、すべての民に好意を持たれた。」と書いてあるように、弟子たちは、近寄りがたい存在ではなく、多くの人々に好感を持たれる存在だったのです。実際にイエスの弟子たちは、貧しい人々にほどこしをし、病に苦しんでいる人には手を差し伸べ、思いやりをもって歩んでいました。だからこそ、迫害下でも、毎日救われる人々が仲間に加えられていったのです(使徒2:47)。福音は、人間力のある弟子たちを通して、エルサレムから全世界へと広がっていきました。

 同じように、私たちもへりくだりと思いやりを持つなら、人々からの信頼を得ることができるのです。

 この世にはいろいろな競争や苦難があります。ある人たちは、その戦いに勝つために、闘争心をむき出しにして、半ば 強引に道を切り開こうとします。時には、人をあざむき、人を傷つける人もいるでしょう。

しかし、神が私たちに与えて下さったものは、おくびょうの霊ではなく、力と愛と慎みとの霊です。(Ⅱテモテ 1:7)

 この恵みこそが、多様性のある競争社会においても、人々からの信頼を勝ちとって突き進む人間力となるのです。だから、私たちも、キリストの心を心とすることで、人々に関わっていく者となりましょう。

 愛する皆さん、あなたが今、おかれている場所は、表でしょうか、あるいは影でしょうか。たとえ、もし、あなたが暗闇や底辺にいると感じたとしても、常に主だけを見続けるなら、能力、人間力、あらゆる面において整えられ、引き上げられるのです。共に、上を向いて歩んでいきましょう。

 

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